Air Show

Singapore Air Show 2020

2020年2月11日から、シンガポール・チャンギ国際空港に隣接した会場で、2年に1度のSingapore Air Show 2020が開催されました。アジア最大の航空宇宙ショーとして知られるシンガポールのショーですが、今回は新型コロナウイルスの感染拡大で規模を縮小しての開催となりました。参加者や展示機にも出展・展示を見送るケースが増え、最終的には45か国、930社の参加となりました(前回、2018年は50か国、1,000社以上)。

一方では日本からは三菱航空機、川崎重工業、スバル、旭金属工業、ホンダジェット(米国)などが参加、ベル‐スバルの最新ヘリコプター「Bell412EPX」やホンダジェット等が実機展示されました。また、東京都(TMAN)、愛知県、長野県、石川県、島根県などから自治体やクラスターが参加しました。

Bell-Subaru 412EPX N412FW

Bell412EPIをベースにBellとスバルが共同開発した機体で、既に警察庁からも受注しています。同機は陸上自衛隊の新多用途ヘリコプターのプラットフォームでもあり、昨年2月末に試作機が納入されています。

Bell-Subaru 412EPX

RSAF Airbus A330-243MRTT 760

シンガポール空軍が2018年夏から導入しているA330MRTT(Multi Role Tanker Transport)です。現在、5機が運用されていて、尾部の空中給油システムはコブハム(Cobham Mission Systems Division)製です。エアバスでは、A3R(Automatic Air-to-Air Refuelling )等を搭載した「スマートMRTT」をシンガポール空軍と協力して開発する計画で、ショー期間中に両者はMoUを締結しました(2020年2月12日)。

RSAF Airbus A330MRTT

三菱航空機 Space Jet M90

三菱航空機では2019年のパリ・エアショーに展示したM90のモックアップを出展しました。ビジネスクラスとエコノミークラスの双方が設置されていますが、ビジネスクラスからエコノミークラスに変わる部分のビンが微妙にカーブしているところが面白いです。

三菱航空機 Space Jet
Space Jetのキャビン

Airbus 「MAVERIC」と「E-FanX」

エアバスは、将来のBWBのコンセプトである「MAVERIC:Model Aircraft for Validation and Experimentation of Robust Innovative Controls」と、2MWの電動推進システムを搭載したデモ機である「E-FanX」もモデルを展示しました。

Airbusの「MAVERIC」、「E-FanX」のモデル

Neo Aeronautics UAM

シンガポールのベンチャー、Neo Aeronauticsが開発中のマルチロータ型のUAM(1人乗りで、モータ8基、機体はコンポジット製)です。もっともUAM(Urban Air Mobility)と言っていますが、当面は米国でPart103(レジャー用でウルトラライトプレーンのセグメント)での運用を目指しているとのこと。シンガポールで開発してきましたが、実証は2020年に米国で行う計画です。

Neo AeronauticsのUAM

Dubai Air Show 2019

Dubai Air Showは、2019年11月17日〜21日まで、ドバイ中心地から車で1時間弱にある新空港「アール・マクトゥーム」ドバイ・ワールド・セントラル空港)で開催されました。

会場で発表された航空機の受注を中心とした契約額は、545億ドル(主な民航機受注は360機)、前回2017年の1,138億ドルの半分以下でした。

 これは、世界的な新規航空機需要の波が一段落しつつあることや、米中貿易摩擦等の世界経済の影響が背景にあると考えられます。さらに、機数ベースでは最大の小型機セグメントで、ボーイング737MAXの運航停止が続き、ボーイングの受注が前回と比べて大幅に落ち込んだことも大きな要因となりました。

Boeing 787-9 「Dream Take Flight」N1015B

従業員コミュニティ・ファンドである「Employees Community Fund of Boeing」のプロモーション・スペシャルカラー機です。カラフルな塗装は、特殊なフィルムシートを貼ったもの。機体はこの後、バングラデシュ・ビマン航空に売却されました。

Boeing DTM M

787DTF F S

Boeing / Aurora Flight Sciences 

PAV(Personal Air Vehicle)

Boeing傘下となった Aurora Flight Sciences のPAV機。2席のフル電動のプロトタイプ機で航続距離は約80km。リフト・アンド・クルーズ方式で、垂直離着陸用電動推進機が6基、巡航飛行用の電動推進機が1基。モーターはカリフォルニア州CamarilloにあるMAGiCALL製です。

Boeing PAV M

Boeing PAV 「空飛ぶ自動車」

Boeing PAV5 M

Hoversurf S3 (Dubai Police)

Hoversurfは、ロシアのMIG(Mikoyan Design Bureau)のGeneral Designerで、ミグ29、スホーイ27/35/37の設計開発に関わったVradimir Barkovsky氏を中心に設立された企業が開発した空飛ぶバイクです。

Hoversurf S3は、機体重量は114kg(コンポジット製)で、最高速度は時速96km、パイロット操縦、自動離着陸、リモートコントロールによる運用が可能とのこと。ドバイポリスでは、2020年から運用を開始する計画です。HF M

Hf2 M

Saudi Arabian Airlines Boeing787-10 HZ-AR25

サウジアラビア航空の最新フリート、787-10。中東地域では同型機の最初のオペレータとなります。コンパートメント・タイプのビジネスクラスは、フルフラットのシートを装備、液晶ディスプレイも大きめなものが装着されています。

SV787-10

SV787機内

Zeva Aero 「Zero」コンセプト(模型)

Zeva Aeroは2017年に設立されたスタートアップ企業で、BoeingのGo Flyにも参加しています。テイルシッター型のeVTOL機で、基本仕様は、フル電動、1人乗り、航続距離: 50マイル(約80km)、飛行速度: 160mph(約285km)。

Zero M

https://www.zevaaero.com/

Air Show China 2018

2018年 11月6日~11日にかけて、中国・ 珠海で開催された「China International Aviation & Aerospace Exhibition」、通称「Air Show China 2018」のご紹介です。

「Air Show China 2018」には20カ国、763機関/社が参加、うち約2/3は中国の機関/企業でした。その他、ロシア、アメリカ、ドイツ、フランス、カナダ、韓国、香港、台湾などからも参加がありました。

AVIC COMAC(Commercial Aircraft Corporation of China, Ltd)が開発、2008年11月に初飛行したARJ21です。2016年6月に成都航空(Chengdu Airlines)に就航、ショーでは成都航空とともにジンギスカン航空、ウルムチ航空向けの機体が展示されました。それぞれ25機、20機のARJ-21を発注しています。

COMAC ARJ21-700 Chengdu Airlines B-3328

COMAC ARJ21-700 Genghis Khan Airlines B-001R

COMAC ARJ21-700 Urumqi Air B-001R

中ロ共同開発の中型機、CR929 の実物大モックアップは今回が初公開

初参加のEhang216、パッセンジャー・ドローンは自動操縦を前提としています

CETCA(China Electronics Technology Avionics) は、キャビン向けのユーザエクスペリエンス・アプリを展示、2019年から中国国内で試験運用を開始する予定とのこと

search previous next tag category expand menu location phone mail time cart zoom edit close